【東京ゲームショウレポート】UGCの発生構造及び伝播構造の双方の確立を—ニコ動とai sp@ceのクリエイティブ・ムーヴメントの仕組み

 

【東京ゲームショウレポート】UGCの発生構造及び伝播構造の双方の確立を---ニコ動とai sp@ceのクリエイティブ・ムーヴメントの仕組み
南治氏に続いて登壇したのは、ドワンゴでニコニコ事業本部マネージャーとアニメ事業部副部長を兼任する伴龍一郎氏。「ai sp@ce」でのイベントに本名で登場するので、当サイトの読者の中には実際に(ai sp@ceの中で)会ったことがある人もいるだろう。氏は「昼はニコニコ動画、夜はai sp@ce」の運営に携わっているとのこと。

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氏はまずニコニコ動画(以下「ニコ動」)について解説した。現在ニコ動には、ユーザーが製作した動画を視聴した別のユーザーが創作意欲をかき立てられ、さらにまた新たな動画を製作するというクリエイティブなサイクルが出来ているという。またそれに対しコメントが付くことが創作のモチベーション維持に役立っているのだとか。
氏は、ニコ動に投稿される動画の一本あたりの平均時間が5~6分なのに対し、ユーザーの平均滞在時間が約35分であることを示し、ユーザー一人あたり6個くらいの動画を連続して見てくれているのではないかと分析。この時間は通常の動画共有サービスに比べ結構長い時間で、動画視聴のほかに「コメント投稿」で非同期型のコミュニケーションが行えるニコ動の独自性を端的に表したデータと言えるだろう。
氏はこのユーザー間の「クリエイティブ」と「コミュニケーション」をさらに促進するため、動画にタグを追加できる機能の実装や、他の人へ動画を紹介しやすくするためブログパーツへの対応も行ったことも説明した。
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続いて氏は、著作権フリーの素材を管理する”ニコ動版クリエイティブ・コモンズ”である「ニコニ・コモンズ」を紹介。これは、他ユーザーが製作した動画を素材にしてさらに別のユーザーが作品を作れるというサービスで、正々堂々と二次創作ができる環境を提供し、UGC(user-generated content:一般ユーザーが作るコンテンツの総称)を促進することを目的としているという。
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そして氏は最後に美少女コンテンツを活用した仮想空間「ai sp@ce」にも触れた。概要は当サイトでもこれまでさんざん解説してきているのでここでは省くが、説明中、なんと6ヶ月毎に作品世界が追加されていくことが発表された。現在ai sp@ceに参加しているのは「CLANNAD」「SHUFFLE!」「D.C.Ⅱ~ダ・カーポⅡ~」の3作品だが、今後はこれらに加えさらに多くの作品が参加し、キャラドルと島も増えていくのだろうか。クローズドβテスト期間に開催されたタウンミーティングでも、世界の拡張や使用できるキャラドルの追加といった要望が出ていたが、この分だとどうやらそれらは実現されそうだ。
そして氏は、「これまで個人だけで楽しまれてきたコンテンツを活用することにより、既存の仮想空間外での共有体験を持ち込み、ユーザー同士が新たな友人を作りやすくする。また作品の原作体験ベースの共有体験も提供し、帰属意識の強化を図る」と展望を述べた。実はai sp@ce内には”隠れキャラ”的に参加作品の原作にしか登場しないキャラクターもいるとのことで、原作から作品を愛好しているユーザーにとってはよりコアな楽しみ方ができ、原作を知らないユーザーにとっては、原作を手にとってみたくなる”きっかけ”となるだろう。
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また氏は作品ファンのコミュニティという位置付け以外にも、ユーザーによる二次創作の活性化を見込んでいるとも語った。ai sp@ceではユーザーがキャラドルを使ってサウンドノベルを製作したり、キャラドルを制御するスクリプト「aiちゅーん」をカスタムして、それらをインワールドで販売し対価を得ることができる。絵が描けない人やサウンドノベル製作ツールが使用できない人でも、仮想空間を上手く活用することで比較的簡単に作品が作れるというわけだ。氏は今後、ニコ動やニコニ・コモンズとの連動を強化してUGCの発生構造と伝播構造の双方を確立し、各所でコンテンツが発生する仕掛けを行っていきたいと抱負を述べ講演を締めくくった。
尚、こちらは東京ゲームショウ2008でのai sp@ceブースの様子だ。
【東京ゲームショウレポート】UGCの発生構造及び伝播構造の双方の確立を---ニコ動とai sp@ceのクリエイティブ・ムーヴメントの仕組み
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男性客ばかり集まるかと思いきや、意外にも若い女性客も立ち止まり熱心に試遊しているのが印象的だった。やはりアバターの「着せ替え」というファッションの要素には女性ユーザーが不可欠であるということか。
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ブシロードのブースにも大きなPOPと紹介動画が展示されていた。
また非常に印象的だったのが、ブースに海外からの参加者向けの「英語版紹介チラシ」が常備されていたことだ。
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カラーコピー製ではあるが、ai sp@ceの概要からai sp@ce製作委員会の説明までとても分かりやすくまとめられたものだった。このように簡単な形式でも、外国人客に積極的に情報発信をしようとする姿勢は重要なことだろう。
実際、日本の美少女コンテンツに対する海外の評価は高い。現在ニコニコ動画が海外展開していることを考えると、もしかしたらai sp@ceも海外展開を視野に入れているのでは…とついつい期待してしまう。
ai sp@ce
http://aisp.jp/
ニコニコ動画(秋)
http://www.nicovideo.jp/
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