「セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる」を読んだ

   2014/11/23

セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる

「Second Lifeの中でどんなことが起こっているのか?」を知るための決定版とも言える一冊です。
現在日本国内ではSecond Lifeについてネガティブな意見が出まくっていますが、日常的にログインしている一ユーザーの目から見ると、どれも踏み込みが浅く”リアルな”姿を理解しているとは言い難いものばかりです。Second Lifeについての記事を書くなら最低でも100時間はログインして下さい。マジで。
本書の著者であるワグナー・ジェームズ・アウ氏は、2003年よりSecond Lifeを運営するLinden LabとSecond Lifeのインワールド双方に飛び込み密着取材を行い、現在もSecond Lifeを中心とした仮想空間系ブログメディア「New World Notes」を更新し続けています。本書はその集大成であり、まさに”Second Life年代記”とも言えるインサイドストーリーです。
著者はLinden Labのファウンダーのミッチ・ケイパー氏や元CEOで現会長であるフィリップ・ローズデール氏、元CTOのコーリー・オンドレイカ氏など社内スタッフがどのようなことを考えSecond Lifeを作ったか、そして育てて現在のようなサービスにしたかを丁寧にレポートすると同時に、その中(インワールド)でユーザーたちがどのような人間ドラマを繰り広げたかをその都度自身の考察も交えながら紹介しています。著者は、自ら自分に似せたアバターを作り、インワールド・リポーターとしてユーザーの中に入り、実際に当事者にインタビューまでして取材しますが、とり上げられるテーマは、恋愛と欲望、戦争と迫害、思想の対立、民主主義、ビジネス、知的所有権など現実世界と全く変わらない実に人間臭い「事件」ばかり。本書を読むと、仮想空間とはいえアバターの裏にいるのは血の通った人間なのだということが改めて実感できます。そして、アバターという仮の姿を纏っていながら、いや纏っているからこそ現実世界以上に生生しい感情をさらけ出してしまう仮想空間の不思議さに気付かされます。
純粋に読み物としても面白い本なので、Second Lifeにログインしたことのない人や初心者ユーザーでも興味深く読み進められると思ういますが、へヴィ・ユーザーであればあるほど楽しめる内容です。

原書はこちら↓
The Making of Second Life: Notes from the New World
The Making of Second Life: Notes from the New World

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