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【VWCE2008レポート】ログインするメタバースから持ち歩けるメタバースへ

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「Virtual World Conference & Expo 2008」の基調講演の最後を飾ったのは、デジタルハリウッド大学院メディアサイエンス研究所・セカンドライフ研究室長の三淵啓自氏とバーチャル・ビジネス研究所所長の足立明穂氏による対談「3D仮想世界フォーラム『メタバースが、与えてくれるもの、メタバースに必要なもの』」だった。

【VWCE2008レポート】ログインするメタバースから持ち歩けるメタバースへ
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尚、この講演はスライド資料と共にセカンドライフ内にもストリーミングされ、時折セカンドライフ内の参加者から声援が出る一コマもあった。
三淵氏はセカンドライフが日本でも話題になり始めたとき、「まず”中の人”の声を実際に聞かなければメタバースのことを理解できない」という思いから「セカンドライフ市民ネットワーク」を作ったという。
しかし日本人ユーザーは海外ユーザーと違い「自分達がメタバースを支えているのだ」という”意識”があまり高くない。それに対しアメリカでは皆がそういった意識をしっかりと持っているため、セカンドライフが始まって僅か一年でリンデンラボの運営方針に対し”革命”を起こせたのだと振り返った。
また三淵氏曰く、日本では仮想世界に対する考え方も、「『メタバースに入っている』という意識でログインしている時点で既に敷居が高い」と日本における仮想世界の現状を語った。
そして、この「敷居」を低くするための具体的な活動として、セカンドライフ内の様々なイベントのストリーミングや番組・CM製作を行っている「VWBC」とセカンドライフ内の学園「デジタル・アカデメイア」が紹介された。
【VWCE2008レポート】ログインするメタバースから持ち歩けるメタバースへ
「デジタル・アカデメイア」は授業料無料のその名のとおり「学園」で、生徒はオリジナルの制服を着て決まった日時に”出席”し、マシネマの作り方やオブジェクトの製作方法、英会話、中国語会話など様々なことを学び、部活動まである。これらの活動に使われるコンテンツは全て無料でユーザー間で共有され、そこからまた新たなコミュニティや作品が生まれるのだという。
【VWCE2008レポート】ログインするメタバースから持ち歩けるメタバースへ
また、これからの方向性として、”持ち歩けるメタバース”である「Open SIM」も紹介された。上記画像に見えるのは、一見セカンドライフ内のデジタルハリウッドの校舎のようだが、実は3Di株式会社のOpen SIMの中にあるものでセカンドライフには繋がっていない。
今後は仮想世界自体も多様化し、それぞれが自分のPCの中に仮想世界を持つ日が来るのかもしれない。

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