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【VWCE2008レポート】「フィリップの予想より早く訪れる」---IBMが進める”メタバースのマルチバース化”

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5月29日(木)の「Virtual World Conference & Expo 2008」にて、リンデンラボ社のフィリップ・ローズデール氏に続き米IBMのDigital Convergence部門のVice Presidentであるポール・リディック氏が登壇し、IBMの仮想世界に対する取り組みについて語った。

氏はIBMのマイクロプロセッサ開発に貢献し、Power PC技術の最初の時期と今日の業界トップの技術の成長における重要な役割を果たしたキーマンで、現在はIBMの仮想世界での取り組みを含むメディアと3Dインターネットの責任者でもある。
【VWCE2008レポート】「フィリップの予想より早く訪れる」---IBMが進める”メタバースのマルチバース化”
IBMはこれまで、セカンドライフをはじめとする仮想世界にオフィスを構築し、離れた場所にいる社員同士の社内ミーティングやプレゼンテーション、共同作業、ユーザーに対する非対面のサーバー販売など多くの試みを行ってきた。また、リンデンラボ社と共同で複数の仮想世界でのアバター相互運用技術の開発を行ったり、HiPiHiとの戦略的締結と”マルチバース化”へ向けた動きも活発だ。IBMには、こうした仮想世界に取り組む専門のチーム「Virtual Universe Community」(以下VUC)があるという。リディック氏はこれらの仮想世界に対するIBMの取り組みを紹介し、「現在IBMの5000人以上の社員がVUCに入っている。またマイクロソフトやGoogle、シスコなどいくつかのパートナー企業とも既にプロジェクトを進めており、相互運用性を確立するためリンデンラボ社とも協力している」と説明した。
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またリディック氏は、「IBMにとって主な懸念は”プライバシー”と”セキュリティ”」と前置きした上で、ファイアウォールで保護され且つセカンドライフとも互換性を持つIBMのプライベートリージョン・プロジェクトを紹介した。これは通常のセカンドライフより安全にインワールドで社内業務を行うためのエリアで、IBMの社員は通常のセカンドライフとプライベートリージョンエリア間をログインし直すことなく自由に出入りできるが、IBMの社員ではない一般ユーザーは入ることができなくなっている。今後IBMでは、このプロジェクトで培った技術をOpenSimプロジェクトでも応用したい考えとのこと。
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最後にリディック氏は、「IBMの野心は様々な仮想世界の環境を統一すること」と述べ、仮想世界の標準化に必要な3つのポイント
1.OpenSimとセカンドライフ間のアバター相互運用
2.基本プロトコルとデータフォーマットの標準化
3.セカンドライフとOpenSim、HiPiHiの統一ビューアの開発

を示し、このうち「1」は今年後半には発表したいとのことで、氏曰く今後2年ほどで「2」を達成し「我々は今から3~4年のうちにこれら3つのポイントに到達しなければならない」とし、IBMの仮想世界のマルチバース化へ向けた具体的な目標を提示し講演を締めくくった。
尚、参加者との質疑応答で出た、「新しいレイヤーの統合はどれくらいのタームで起きると予想しているか?」との質問に対しリディック氏は、「フィリップ(ローズデール氏)が言った『10年』よりも早く、先ほど言った3つのステップにかかる時間(2~4年)で起こるだろう。仮想世界には今後も様々なプレイヤーが現れ、Webと同じような変化がもっと急激に訪れるだろう。だから仮想世界の「幼少期」である今こそ投資をすべきと考えている」と答えた。
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