【VWCE2008レポート】「仮想世界こそ我々の未来」—ローズデール氏、セカンドライフの次の段階を語る

   2011/04/01

5月29日(木)、セカンドライフを運営するリンデンラボ社の元CEO(現会長)であるフィリップ・ローズデール氏が「Virtual World Conference & Expo 2008」の基調講演を行い、仮想世界の現状と将来について語った。ローズデール氏の講演は日本初ということで会場は立ち見が出るほど満員となり、隣にサテライト会場まで設けられたほどだった。

ローズデール氏、セカンドライフの次の段階を語る
講演の冒頭、まずスクリーンに映し出されたのは「Why?」という文字。ローズデール氏はここから”なぜ”現在仮想世界が注目を浴びているのか?また”なぜ”仮想世界が重要なのかについて語った。
氏は昨今の仮想世界への注目度は「ビジネスの機会を生む場所」だったり「お金を稼げる場所」であるなどの理由から来るものではないと断言。「仮想世界は現実世界を変えていく。なぜならユーザーはそれだけの長い時間を仮想世界で過ごすことになるからだ。仮想世界こそ我々の未来なのだから」と語った。
ローズデール氏、セカンドライフの次の段階を語る
尚、ローズデール氏の講演自体は今回が初めてだが実は来日は初めてではなく、10年前にも一度日本を訪れているという。その際、秋葉原を見に行って氏は大変な衝撃を受けたとのこと。当時出会った人々が皆クリエイティビティを発揮して創造活動を行っていることに驚き、また現在もセカンドライフ内の日本人ユーザーが独特の活動を多岐に渡って行っていることにも触れ「仮想世界には境界線が無い。いろいろな文化を持った人達が集まり社会を形成していく。日本人は既にそれを始めており、今後仮想世界において日本が重要になってくるだろう」と期待感を述べた。
またローズデール氏は自身と仮想世界の関わりについても言及。ネットワークを介して世界をシミュレートし、様々なものを創造していくのが氏の子供の頃からの夢だったという。氏は自分の部屋を「スタートレック」風にカスタムしようと天井に穴を開けてドアが上にあがるようにしたり、高校生でコンピューター会社を起業したりしていたという。氏はその頃から仮想世界の構想を持っていたそうだが、当時はまだコンピューター技術が間に合わず計画を一旦保留していたとのこと。しかし1999年という年を境に状況は変わった。この年、ブロードバンド環境とGeForce2というGPUの二つの技術が登場し、氏はリンデンラボ社を設立しセカンドライフの開発に着手したという。今ではセカンドライフの土地は500平方マイルに増え、1日約100万ドルの取引が行われ、5万人以上がセカンドライフで収入を得ているという。この数字を示して氏は「おそらく今後10年間でこの数字は100倍に伸びるだろう。現在のセカンドライフはこのプロセスの初期段階にある状態だ」と分析した。
ローズデール氏、セカンドライフの次の段階を語る
次にローズデール氏は、専用ソフトのインストールなしでセカンドライフにログインできる技術や、携帯電話からの利用も可能にする技術、インターフェースのシンプル化、検索技術の改善など現在開発中の技術を挙げた。また今後2~3年のうちに3Dカメラを利用してユーザーの体の動きをそのままセカンドライフに反映させ、それによってより簡単にセカンドライフを操作できるようにする技術を導入できるだろうと見通しを語った。
3Dカメラについてはこちらを参照
セカンドライフ創始者、セカンドライフの”ハンズフリー操作”について研究成果を発表
最後にローズデール氏は、セカンドライフがまだ初期段階にあることを認めた上で、「1995~96年頃もちょうど同じようなことがインターネットについても言われていた。『インターネットは使いにくいし何だかよく分からない』『情報が見つかりにくいし凄くややこしい』と。しかしそれが今では誰にとっても欠かせない存在となった」と語り、仮想世界について批判されていることはかつてのインターネット批判と同じであることに気付いて欲しいと呼びかけた。そして今後仮想世界が成長していくにはオープンでなければならないとし、それは標準化され相互運用できるシステムでなければならず、仮想世界は現在のインターネットと同じように個人にとっても企業にとっても欠かせない存在となり、「次のインターネット」として機能しなければならないと語った。
そして最後に会場の参加者に向かって「私達はインターネットと同じスケールのものをオープンに皆が繋がった方法で一緒に作っているのだということに気付いて欲しい。」と呼びかけて講演を締めくくった。
ローズデール氏、セカンドライフの次の段階を語る
尚、講演後にはリアル会場とセカンドライフ内会場の双方の参加者からの質問に答える質疑応答の時間も設けられた。
「少子高齢化の進む時代の中、生涯を通してずっと働けるという環境を作ることにビジネスチャンスがあるのでは?」という参加者の意見にローズデール氏は、「素晴らしいことだと思う。仮想世界ユーザーの平均年齢は32歳で女性は約40%いる。仮想世界は働き続けることができ、且つ遊び続けられる場所に既になっている。今後企業としてサポートしていきたいと思う」と答えた。
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