インタビュー バーチャルワールド最前線

【独占インタビュー】「参入のタイミングはまさに今だと思ったからスタートした」トランスコスモス濱岡氏が語るmeet-meの展望

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4月に正式サービスを開始した「meet-me(ミートミー)」は地図データを元に東京を再現したバーチャルワールドだ。渋谷のハチ公など主要なランドマークも再現されており、バーチャルワールドでありながら馴染みのある風景が広がる特徴的な空間となっている。

5月にはトヨタ自動車が現実の新車発表会と連動してmeet-me内の「TOYOTA METAPOLIS」でも新車発表会行ったり、運営元の株式会社ココアが日本テレビグループである株式会社バップと株式会社フォアキャスト・コミュニケーションズへの第三者割当増資を発表するなど、活発な動きを見せている。
正式サービス開始後の感触や、一方で見えてきた課題への対応、そして今後についてmeet-meの運営に関わるトランスコスモス株式会社 BtoC事業戦略本部 企画部部長の濱岡邦雅氏に話を聞いた。
(文中敬称略)
―― 4月に正式サービスを開始しましたが、その後いかがでしょうか。
【独占インタビュー】「参入のタイミングはまさに今だと思ったからスタートした」トランスコスモス濱岡氏が語るmeet-meの展望
濱岡「おそらく国内のコアなバーチャルワールドユーザーは10万人くらいの規模感かと思いますが、そういう意味でmeet-meもサービス開始後いきなり数10万人になるとは思っていませんでしたので、まずは予想通りといえると思います。 (事柄が急激に盛り上がっていったん落ち着き、再度ゆるやかに上っていくという)ハイプカーブの話が以前よりありますが、バーチャルワールドをテクノロジー面から見ても、今のフェーズは踊り場というかやや落ち着いた地点なのだろうと思います。マスとして一般の人がやりはじめるのにはもうすこしタイムラグがあると思います。」
―― 今後ユーザーが増えるにつれて、システム負荷も上がっていくと思います。正式サービス開始に向けて、これまでも負荷テストなどを行いながら入念にシステムの調整を行っていましたが、現在の耐久性はどれくらいでしょうか。
濱岡「まずは1000人が1か所に集まって楽しめるというレベルには到達出来ています。
以前負荷テストを行った時にはサーバーが落ちたりしていましたが、ひとつひとつチューニングを重ねていったところで耐久性が上がってきました。もちろん全般的に細かなアップデートは常に行ってきましたし、機能の追加もどんどん行いながらパフォーマンスは落ちていませんので、以前に比べるとはるかに全体としての耐久性はあがっていると思います。」
―― meet-me内ユーザーの行動傾向についてお聞きしたいのですが、みなさん、どのあたりに集まっていることが多いでしょうか。
濱岡「多いのはやはり渋谷や新宿など現実世界でも人が集まっている場所や、(釣りのアトラクションがある)竹芝や市場前ですね。こうした現実と同じリアルのものを活用するというアプローチは他のバーチャルワールドとの差別化につながっています。構想としてはあっても、なかなか誰も本気でやっていなかった部分ですよね。また、ユーザーさんがコミュニティスペースを構築しそこに集まることも多くなってきています。ただしその数倍のユーザーさんが、23区という広いフィールドを走り回っていることも確認されており、宝箱や新しいランドマーク探しを楽しまれていることが伺えます。」
―― 確かに。リアルと同じものを活用するという意味では、移動に電車やバスなどの交通機関を使うという点もリアルですね。ただ、一方で目的地までの移動に時間がかかるという面もあります。個人的には目的地まで一気にワープできたらいいなと思うこともあるのですが。
濱岡「そこはさじ加減がなかなか難しいところです。電車やバスも(2地点間を瞬間的に移動するという意味で)ワープのひとつになると思いますが、どこでもワープできるようになってしまったら実は面白くないのかもしれません。
というのは自分の思ったことが瞬間的に実現できることよりも、なかなか思い通りにならない状況を一つ一つ解決していくプロセスそのものを楽しみたいという思いもあると思うのです。こうした部分はある意味パズルを完成させる楽しみに似ているのかもしれません。また、プロセスそのものを時間をかけて体験していくことで、その世界に対して思い入れが強くなる面もあります。
それと今はまだまだ土地に隙間がありますが、今後ユーザーさんが家を建てていくと景観も変わってきます。そうなれば目的志向で直接飛んでいってしまうのと違って、歩くことで、より偶然の楽しみがでてくると考えています。
ただ、「空を飛ぶ」ということをアトラクションひとつとして提供するのはありますよね。飛行船とかは気持ちいいかもしれませんね。」
―― 様々なランドマークを上から眺めるのも楽しそうですね。こういったランドマークは今後も追加される予定なのでしょうか。
【独占インタビュー】「参入のタイミングはまさに今だと思ったからスタートした」トランスコスモス濱岡氏が語るmeet-meの展望
濱岡「今後も毎月毎月かなりの量のランドマークの追加や機能のアップデートが行われていきます。まだまだやりたいことが全然やれてないというのが正直なところです。現実に企業様やユーザーさんからご要望はたくさんいただいておりますし、内部スタッフからの企画提案も数多くあります。そうした中、2DのWebで出来ることが3Dでも今すぐできるように思われがちなのですが、考えてみると2DのWebテクノロジーはこの10年の歴史のなかで積みあがって今があるわけです。3Dでもそうした仕組みは技術的にできることは分かっていますが、ものを作りあげていくということにはやはり時間がかかりますね。
また、現在は特にバックエンド側の開発にも力を入れています。Webでいうとアクセスログ解析みたいな部分です。これも3Dだと既存の製品など無いので自分たちで作らなければなりません。時間はある程度かかるかもしれませんが、ひとつひとつ着実に実装していく必要があると考えています。
―― トヨタ自動車の「TOYOTA METAPOLIS (トヨタメタポリス)」など、meet-meを活用する企業の例も出てきました。meet-meを含め、今後のバーチャルワールドについてはどのように考えていますでしょうか。
濱岡「まず私たちはマクロ的観点から3次元仮想空間(バーチャルワールド)のトレンドが本物で、参入のタイミングとしてはまさに今だ、と思ったからこそmeet-me事業をスタートしました。
えてして新しいマーケットが広がろうとしている最初の頃というのは、例えばネット広告の黎明期でもモバイルインターネットのローンチ時でも、世の中的にはネガティブな意見が多かったことも事実です。我々はそういうネガティブな意見に惑わされることなく、一つ一つやるべきことを積み重ねて前に進んでいくことが大切だと思っています。
またそのためにも、企業様とのコラボレーションをこれからもどんどん進めていき、自らを進化させ続けたいと思っています。」
―― 今後も期待しています。今日はありがとうございました。

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