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【独占インタビュー】セガの〔iA〕は「バーチャルワールド」、ではない!?(前編)

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【独占インタビュー】セガの〔iA〕は「バーチャルワールド」、ではない!?
この春に登場した3Dインターネット関連サービスの中で、従来のいわゆる「バーチャルワールド」とは趣を異にするサービスがある。それがセガの「インターネットアドベンチャー〔iA〕」(以下〔iA〕)だ。
〔iA〕はインターネットエクスプローラー(IE)と連携し、IEでブラウズしているサイトのURLに対応した3D空間がWindowsのデスクトップ(壁紙が表示されている場所)に表示される。同じサイトを見ているユーザーは同じ3D空間にアバターとなって表示され、チャットなどのコミュニケーションをとることができる。いわば一緒にサイトを見ているような感覚なのだが、最初はなかなか理解しにくいかもしれない。

では、「いわゆるバーチャルワールド」ではないという〔iA〕とはいったいなんなのか。株式会社セガ ネットワーク統括部ネットワーク運営部 プロデュースチーム チームマネージャー 木岡勝利氏、同 事業開発チーム 主査 齋藤誠記氏に話を聞いた。
〔iA〕は現在、クローズドβテスト終了後の検証作業を行っており、今後の展開は夏頃に発表される予定だ。
(文中敬称略)
■「MMORPG」「Webブラウザ」「ブログ」=〔iA〕?
―― 〔iA〕開発に至った経緯を教えてください。
【独占インタビュー】セガの〔iA〕は「バーチャルワールド」、ではない!?
プロデュースチーム チームマネージャー 木岡勝利氏
木岡「立命館大学でゲーム制作/技術の研究を専門とする渡辺修司准教授から『MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)』『Webブラウザ』『ブログ』の要素を組み合わせた『MMOブラウザ』を作りたいという提案をいただきました。これまでの2Dブラウザの世界をゲームの要素で拡張するという発想です。『面白そうだ』ということで企画が始まったのが2年くらい前ですね。MMORPGを作りたい、でもゲームユーザー層だけではなく、インターネットの世界に向けたものとして、模索しながら今の形になりました。
そして当時も話していたのは『これはプラットフォームである』ということです。これにコンテンツをのせて面白いものを作っていきたいという思いがあります。」
―― 〔iA〕の特徴というとどういった点でしょうか。
【独占インタビュー】セガの〔iA〕は「バーチャルワールド」、ではない!?
事業開発チーム 主査 齋藤誠記氏
齋藤「『ながらプレイ』ができるのが特徴のひとつですね。ウィンドウズの壁紙が表示される部分(デスクトップ)に〔iA〕がある形なので、他にゲームなどを立ち上げながらでも、その後ろに常時〔iA〕があるという感じで、(ずっと意識を集中する必要はなく)ほっといていい時間があります。ずっと立ち上げておいていただいて、例えばサイトを検索する時は2Dのブラウザで検索して、必要な時だけ〔iA〕を使ってもらうイメージです」
木岡「〔iA〕で実現できるインターネットの楽しみ方について『ネットサーフィンからネットパーティーへ』と表現しています。例えば同じサイトを見ているユーザーと〔iA〕でコミュニケーションしながら一緒にネットサーフィンするとか、ECサイトを見ながら一緒にショッピングするとか、Webを多人数で楽しむことができるのが〔iA〕です。
また、サイトオーナーから見ると〔iA〕でサイトを見にきたユーザーさんと直接感想を聞いたりすることができます。〔iA〕はサイトユーザーとサイトオーナーを結ぶ新たな架け橋になると考えています。サイトオーナーであれば自由にアイランドをカスタマイズできますし、通常のWebと同じく、エリアごとに入室制限をするなどセキュリティ設定も可能です。」(カスタマイズ機能については後述)
■『プチプチをつぶすような』ほどよい楽しみを提供したい
―― その他、ゲーム的な要素がある点も特徴ですね。
木岡「〔iA〕ではアイランドに時々モンスターが出てきて、これと戦うことができます。こうしたミニゲームのようなゲーム的要素を他にも実装していきたいですね。
半年、1年後、もしくはもう少し先になるかもしれませんが、〔iA〕というネットワークエンタテイメントの世界を実現したいと思っています。」
【独占インタビュー】セガの〔iA〕は「バーチャルワールド」、ではない!?
―― ところで、モンスターに負けるということはあるのでしょうか。
齋藤「今はほぼないですが、(アバターの)体力が復活する前に連続して戦うと負けることもあるかもしれません。その時は自分の(〔iA〕内の拠点である)ホームに戻されます。」
木岡「〔iA〕の特徴のひとつとして、アバターの成長要素があります。モンスターを倒すと経験値が上がってレベルがあがったり。これもゲーム的なものですね。モンスターを倒す以外にも成長につながる要素を用意していく予定です。
その他のゲーム的な方向性としてはユーザー間のバトルといったことなども考えられますが、これは一般ユーザーにはハードルが高いと思っています。そこまでではなく、目的というかちょっとした楽しみ、『プチプチをつぶすような』楽しみが見つけられるようにしたいですね。」
■サービスの安定化を最優先に
―― クローズドベータテストを終え、オープンベータへの準備中という段階ですが、ここまでの感触はいかがでしょうか。
(→「サービスの安定化を最優先に」へ)

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