インタビュー バーチャルワールド最前線

リンデンラボの技術責任者イアン・ウィルクス氏が語る「あるメッセージ」の真相【前編】

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3月12日(水)にデジタルハリウッド大学・秋葉原メインキャンパスでセカンドライフを運営するリンデンラボ社の技術担当責任者イアン・ウィルクス氏による講演が行われ、セカンドライフを支えるインフラについて、サービス開始当初からこれまでの変遷と今後の開発の方向性が語られた。
THE SECOND TIMESでは講演の翌日にイアン・ウィルクス氏に単独インタビューを行い、さらに多くの話を語っていただいたのでここで紹介したい。インタビューにはリンデンラボ社日本担当の土居純氏にもご同席いただいた。

そこでは、講演で語られなかった「あるメッセージ」の真相も語られることとなった。
(文中敬称略)
―― インワールド(セカンドライフ内)では普段何をしてらっしゃるのでしょうか?
リンデンラボの技術責任者イアン・ウィルクス氏が語る「あるメッセージ」の真相【前編】
リンデンラボ社技術担当責任者 イアン・ウィルクス氏
イアン「ビジネス利用がおおいですね。毎日いろんな方にお会いしています。」
―― リンデンラボのミーティングはほとんどセカンドライフで行う、と伺ったことがあります。
イアン「そうですね。リンデンラボは世界中にたくさんのオフィスやチームを持っていますので、セカンドライフでのミーティングが普通になっています。」
【単独インタビュー】リンデンラボの技術責任者イアン・ウィルクス氏が語る「あるメッセージ」の真相
リンデンラボ社日本担当 土居純氏
土居「むしろ、今はセカンドライフがないとミーティングができないですね。必須のツールです。」
―― 今年の1月末にリンデンラボは日本のSUNとモバイルのビューアライセンス契約を結びました。その他にリンデンラボとしてモバイルデバイス利用に向けた動きはありますでしょうか。
イアン「現在のところ、近々リリースするというものはないですし、モバイルについて確定した計画はありません。セカンドライフに対する開発コミュニティがどういったツールを提供するかにあわせて対応していきます。現在はまだリンデンラボとしてモバイル向けのAPIなどを開発していないので、そうした開発コミュニティによるソリューションは私たちにとっても有用なものです。そういった動きが起こるように支援していきたいと考えています。」
【単独インタビュー】リンデンラボの技術責任者イアン・ウィルクス氏が語る「あるメッセージ」の真相
―― セカンドライフビューアーについてはすでにオープンソース化され、サードパーティーのビューアーも出てきています。先日の講演では主にセカンドライフのサーバーテクノロジーについて講演されていましたが、リンデンラボとしては今後サーバー側に注力していくというような方向性はあるのでしょうか。
イアン「モバイルビューアーに関して、リンデンラボが直接リリースするような予定はないですが、やはりビューアーはセカンドライフのキーとなる部分なので、今後も同様に注力していきます。(水面や空の表現の質を劇的に上げた)Windlight Viewerなどもそうした動きのひとつですね。」
土居「サードパーティのビューアーもいろいろ登場してきて、ユーザーインタフェースを改良していく動きがあります。リンデンラボとしてもより使いやすいユーザーインタフェースを目指しています。」
―― (セカンドライフのサーバー機能を独自に構築するプロジェクトである)Open Simの動きが盛んですが、リンデンラボとしてはなにかサポートをしているのでしょうか。
イアン「特別なサポートはしていませんが、こうした取り組みはオープングリッドの初期テストケースとして興味深いと感じています。」
―― セカンドライフのサーバー自身がオープンソースになるという話が以前からありますが、これは実現するのでしょうか。するとしたらいつ頃でしょうか。
(後編に続く)

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