稲船社長が語る!ダレットワールドが目指す世界とは?【前編】

   2011/04/01

第1回クローズドベータテストも終わり、現在は公式サイトで第2回クローズドベータテストの参加者を募集中の「ダレットワールド」。カプコンで「ロックマン」シリーズ、「バイオハザード2」、「鬼武者」シリーズなどの大ヒットゲームをプロデュース・制作した稲船敬二氏が率いていることでも有名だ。平面なのに立体的な2.5次元のアバターやペーパークラフトのような世界、そして数々のコミュニケーションのタネなども特徴的である。

THE SECOND TIMESでは稲船氏への独占インタビューを行い、開発の背景やその魅力、そして今後目指していくものを語ってもらった。本インタビューは前後編でお送りする。
稲船社長が語る!ダレットワールドが目指す世界とは?【前編】
■「遊び心」でユーザーのコミュニケーションをサポート
―― コミュニティポータルとしてのダレットワールドでは、まずゲームを共通話題にコミュニケーションが行われるようになりそうですね。
カプコンがやるとなるとやはり最初はゲームが共通話題になると思いますが、それだけだと「ゲームありきのバーチャルワールド」という風に見えてしまうので、そういう形はしたくないですね。共通話題はできるだけたくさん作りたいと思っています。
―― その試みのひとつが発表会でもおっしゃっていた「メッセージ魚」などの「コミュニケーションのタネ」ですね。「メッセージ魚」は魚型の便せんにメッセージを書いて放すと、それを釣り上げた「誰か」に届くというものですが、これはどういった観点から生まれたのでしょうか。
メッセージボードは普通に作ると既存にある掲示板と同じものになってしまいますよね。なので、そこに「遊び」を入れましょう、と。ダレットの会社自体のコンセプトとして「遊び心」みたいなところを常に考えましょうというのがあります。メッセージを出すにしても誰が読むのかわからない、それが話題の元になるようにしたいんですね。受け取った人が「こんなん読んだんだけど、これホントなの!?」みたいな。
こちらから遊び方を与えてユーザーはそれを受け止めるだけ、というのではなくて、そういったコミュニケーションのきっかけを与えて、ユーザー同士が話し合うということがすごく大事なのかな、と思っています。
―― 遊び心を入れていくというのが「インターネットをもうちょっと面白くする」というコンセプトにつながっているのですね。
ダレットワールドは今はまだ(サービスとして)どうとらえられるか、わからない部分があります。キャラクター性を出しすぎるとオンラインゲームぽく見えてしまうし、(シンボルキャラクターの)ダレオとダレコだけだと何していいかわからなくて、「だからどうなの?」みたいになってしまう。だからバランス的にいうと、ゲームではないけれど、ユーザーのプレイヤー以外にNPC(※)のキャラがいて、ユーザーの活動をサポートしていくような形がいいかな、と思っています。
ただ、彼等(NPC)はあくまでサポートですね。コミュニケーションのきっかけとなる種をまいていくというイメージです。将来的にはそういった案内役などをユーザーが担ってくれるようになればいいですね。
※NPC(ノンプレイヤーキャラクター)
ユーザーが操作するプレイヤーキャラクター以外のキャラクター。ゲーム中に登場する町の住民などがこれにあたる。
【独占インタビュー(前編)】稲船社長が語る!ダレットワールドが目指す世界とは?
■PC自体もわからない人たちこそが、今後バーチャルワールドを楽しんでいく
―― これまでのバーチャルワールドの多くにはNPCがおらず、ユーザーの自主的な活動によってコミュニティが支えられている部分が大きいと思いますが、一方ではそうしたオンラインコミュニケーションを楽しめるようになるまでのハードルを感じる方もいるようです。
そうした人には手助けが必要だと思っています。
今のバーチャルワールドは「今」の状況を見てしまっていると思うんです。今、バーチャルワールドに興味があったり、パソコンやインターネットに興味があるユーザーだけをバーチャルワールドの対象ユーザーとしてみていると、サービスの方向性を間違ってしまうのではないかと思っています。(ダレットとしては)バーチャルワールドを今現在のために始めるのではなくて、5年先に何が起こるのかということを考えています。
今のバーチャルワールドユーザーはパソコンにも慣れ親しんだユーザー、端的にいえばPCがフリーズしても焦らないユーザーですよね。でも、本来はPC自体もわからない人たちこそが、今後バーチャルワールドを楽しんでいくのではないか、と思っています。
「PCに慣れ親しんだ人」をターゲットにしていくのか「今は興味がないけどだんだんと興味を持っていく人」をターゲットにしていくのかというのはすごく重要だと思うんです。だからこそ、ダレットワールドっていうのは先のユーザーをどう取り込むかという点を重視しています。今だけを見ちゃうと、今のユーザーにはなにが受けるのかとか、今集められる会員はどういった層かとか、そういうところを重視してしまうと思うんですよね。そうすると今入ってこれないユーザーが出てきてしまう。そこを一番避けたいんですよ。
そのためには、何も知らないユーザーが入ってきたときに「そんな当たり前のことも知らないで入ってくるな」みたいなことを言われるところにはしたくない。そういうユーザーはどうしても出てきてしまうんですけど、はびこれないようなものにしたいですね。
―― なるほど。
それと、多くの人がセカンドライフのようなバーチャルワールドをやったことがないというのはなぜかというと、こわいんですよ。やれないんです。オンラインゲームでもそうなんですが、それを知っている人が、自分たちのものみたいにしちゃってる雰囲気がある。それはオンラインゲームだけではなくて、2ちゃんねるのような掲示板みたいなものでもそうですよね。のぞきはするんだけど、参加するかというとしない。書き込まない。ダレットワールドは、のぞきに来て、遊んでほしいんです。
のぞきにきて遊びやすいようにするためにはハードルを下げなければいけない。そのハードルの下げ方として、どう遊び心を入れていくか点を考えています。
ハードルの例としては、例えばメッセージボードにメッセージを書き込んだとすると、それに突っ込みが入るというのがまず怖い、でもなにか言いたい、というのがあります。そうした人にはメッセージを書き込んで河に放つという言いっぱなしのものでも、まず「なにか言いたい」という気持ちは満たすことができます。それが最初にお話しした「メッセージ魚」なんです。
でも、ずっと言いっぱなしにしていると次第に誰かにコメントを聞きたいと思うようになります。そうしたら、書き込んでフィードバックをもらえるメッセージボードを使ってもらう。順を追わないといけないということです。
―― バーチャルワールドを楽しむまでの高い段差の間にもうひとつ段を作って、少しずつ登れるようにしたイメージですね。
そうですね。でも、その段差が高いかどうかは作る側にはわからないことが多いんです。なぜかというと作っている人は(メッセージボードの例でいえば)「書き込める人」が作っているからなんです。ぼくらもゲームの説明をする時に相手がわかっているものだと思って専門用語使って説明していると、「あ、ゲームやってないんでわからないんです」といわれて、初めて「あ、この言い方ではわからないか」ということに気づいたりすることもありますが、それと同じですね。
(後編に続く)
【独占インタビュー(前編)】稲船社長が語る!ダレットワールドが目指す世界とは?
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