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内閣府&インターリンク、東京・丸の内で「防災とボランティアのつどい」を開催 セカンドライフでも防災を語り合う

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1月19日(土)、リアルとセカンドライフのインワールドを連動させ「防災」について語り合うイベント「防災とボランティアのつどい」が東京・丸の内で開催された。

内閣府&インターリンク、東京・丸の内で「防災とボランティアのつどい」を開催 セカンドライフでも防災を語り合う
同イベントは内閣府防災担当が実施する啓発イベントで、阪神大震災をきっかけに始まり今年で開催13回目を迎える。今年は15日~21日まで東京駅丸の内口の行幸通り地下空間を会場に様々な展示会やトークショーを開催する。この日のイベントもその中の一つで、日本の中央省庁がセカンドライフを活用する初めての事例となった。
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セカンドライフ内のイベント会場。イベント開始前から多くのユーザーが集まっていた。
このセカンドライフの活用においての運営サポートは、セカンドライフ内でNGO支援のSIM「八国山アイランド」を展開する株式会社インターリンクが担当。当日はこの八国山アイランド内にもユーザーが集えるカフェスタイルのイベント会場が構築された。
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”セカンドライフ内会場”とリアル会場はセカンドライフのボイスチャット機能で連動しており、セカンドライフ内にいながらリアル会場で繰り広げられているトークを聞くことができるようになっている。トークの内容について質問やコメントを発言することも可能。またそのセカンドライフ内の様子もモニターでリアル会場に中継された。
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さらにリアル会場には「セカンドライフ体験コーナー」も設置され、希望者は誰でも自由にノートPCからセカンドライフを体験できるような配慮も為されていた。
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Gliaさん(左)と鳥巣英司さん(右)
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高橋民夫さん
このイベントは、各パネリストが「講演」するのではなく司会者も共に車座に座って「語らい合う」という、肩肘の張らないスタイルなのが特徴。偶然地下通路を通りかかった通行者でも気軽に立ち止まって参加することができる。
司会進行は内閣府参事官の鳥巣英司さんとインターリンク・セカンドライフ事業部マネージャーで「グリアの夢」の主人公でもある「Glia」さん。聞き手は文化放送防災キャスターの高橋民夫さんが担当した。
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イベントは「第一セッション」と「第二セッション」の2部構成になっており、まず第一セッションでは国内外の災害現場で実際にボランティアに従事したことのある経験者の体験談が語られた。パネリストは、京都大学大学院生の井村美和さん、NPO法人国際ボランティア学生協会本部事務局の大谷尚宏さん、大谷大学専任講師の志藤修史さん、NPO法人京都災害ボランティアネット副理事長の長峰健太郎さんの4名。
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尚、セカンドライフ内にもパネリスト一人一人のアバターが再現され、リアルのイベントと同じような雰囲気が再現された。
この「第一セッション」では実際の災害の現場でのボランティアの現実やこぼれ話が語られ、その内容にセカンドライフ内会場からも多くの発言が寄せられたのだが、中には英語で発言している海外ユーザーの姿も。残念ながら同イベントは海外ユーザーの参加を想定していなかったとのことで、日本語以外の言語への対応が為されていなかったのだが、偶然参加していた英語のできる日本人ユーザーがチャットでトークの内容を「同時通訳」するという、図らずも「ボランティア精神」が垣間見られるイベントとなった。
そしてここでいきなり意外な飛び入りゲストが登場。なんと泉信也防災担当大臣が”立ち寄る”との知らせが入った。
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着席し参加者と語り合う泉信也国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災・食品安全)
現職の大臣の思わぬ登場にリアルもセカンドライフも騒然。思わず立ち止まる通行人も多く一時人垣ができるほどだった。
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そこで急遽泉大臣のアバターもその場で作成。セカンドライフ内会場にも登場した。大臣曰く「頭だけはよく似ている」とのこと…。
実際の大臣は「立ち寄る」程度ではなく、パネリストと一緒の席に座りトークを展開し、一般参加者からの質疑応答にも答える一幕が。思いがけず現職大臣の生の発言を聞くことができた。
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続いて「第二セッション」では、主に防災へのインターネットの活用について語られた。パネリストは、株式会社レスキューナウ代表取締役の市川啓一さん、Kanda News Network Inc. 代表取締役の神田敏晶さん、株式会社インターリンク セカンドライフ事業部長の中島宏さん、新潟県中越沖地震支援inセカンドライフ代表発起人の中西智陽さん。
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このセッションでは新潟県中越沖地震が起こった際、セカンドライフのコミュニティを介して支援グループが立ち上がり、最終的に仮想通貨での募金活動が実を結んだ例が紹介された。この活動の発起人である中西智陽さんは「最初は『子供の遊びだ』と叩かれたりもしたが、次第にシャ乱Qのはたけさんやリンデンラボの土居純さん達が応援してくれたり、海外のミュージシャンが賛同してくれてチャリティーライブを開催したりと支援の輪が広がっていった。そして最終的に現金で10万円(第一期)の募金を送ることができた」と実績を解説。ヴァーチャル世界での動きがリアルライフへも繋がる可能性を示した。
セカンドライフに限らず仮想世界の分野はまだまだ始まったばかりで、業界自体がまだ「β版」とも言えるだろう。なので未成熟な部分が多くあり、文句を付けようと思えばいくらでも付けられる。
しかし、粗を探して文句を付けるのではなく、「どのような可能性を秘めているのか?」「どのように活用すればリアルライフもより良くすることができるか?」まず試行錯誤してみることこそ大事なのではないだろうか?
今回のこのイベントも完璧と言えるものではなかったかもしれない。しかしまず日本の中央省庁が仮想世界の活用に踏み切ったという点において、このイベントはとても有意義な試みだと感じた。
今回のイベント開催を踏まえて、来年、再来年とまた新たな試みを続けて欲しいと思う。

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