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【KEIO TECHNO-MALL 2007】レポート 頭で念じてセカンドライフ散歩

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12月5日(水)、東京・有楽町の東京国際フォーラムにて 慶應義塾先端科学技術研究センター(慶應義塾大学理工学部・大学院理工学研究科)が主催する科学技術展「KEIO TECHNO-MALL 2007」が開催された。
同イベントは、慶應義塾大学の保有技術と研究に直に触れられるデモンストレーションを中心とした展示会で今回で8回目の開催となる。

同イベントには、10月に発表されて以降国内外で話題となった「頭の中でイメージしただけでセカンドライフ内のアバターを散歩させることができる技術」も展示され、入場者らの大きな関心を集めていた。
【KEIO TECHNO-MALL 2007】レポート 頭で念じてセカンドライフ散歩
【KEIO TECHNO-MALL 2007】レポート 頭で念じてセカンドライフ散歩
こちらがプレイヤーの脳派を計測してコンピューターを操作する「ブレイン・マシン・インターフェース」のデモンストレーションを行う同大学専任講師の牛場潤一氏のブース。
デモンストレーションは計3回行われたが、ブース前には常に人だかりができ、国内外のマスコミの取材も入っていた。
【KEIO TECHNO-MALL 2007】レポート 頭で念じてセカンドライフ散歩
デモ中の風景。確かに、一切キーボード及びマウスに触れていないにも関わらずアバターが動いている。
同大学によれば、足を動かす様子をイメージするとアバターが「前進」し、「右手」「左手」を動かす様子をイメージすると「右折」「左折」するという。アバターを止める場合は想像するのを止めればよい。
聞いているだけだと実に簡単そうに思えるが、実際はイメージするにも”コツ”が必要で、いきなり初めての人がやろうとしてもなかなかできないという。
この技術は、プレイヤーの体に電極を貼り付け脳の中の手足の動きをコントロールする部分「大脳皮質連動野」の脳波を測定し、脳で想像したイメージと連動した操作をコンピューターに指令するというもの。
今のところできるのは散歩だけだが、今後はチャットやショッピングもできるよう改良を加えていくとのこと。
【KEIO TECHNO-MALL 2007】レポート 頭で念じてセカンドライフ散歩
他にも、ブースには脊髄損傷・脳卒中患者向けの電動把持装具や上肢切断者向けの電動義手も展示されていた。
これらの装具も頭の中のイメージと連動して動くものだという。
同大学によれば、今後これらの技術は医学部と連携してまず最初に患者のリハビリテーションに活用し、その後にエンターテイメント分野への活用を考えたいとしている。
セカンドライフを読む。」でも触れたが、日本におけるセカンドライフ報道はどういうわけか大企業の参入の話題ばかりが先行し、ほとんどビジネスの話題で占められてきた。
しかし、ある程度のスペックのPCさえあれば(それを用意するのが大変なのかもしれないが)、大企業であろうと個人であろうと関係なく全く同じ環境で白紙の状態から”生き直せる”仮想世界は、本来はもっと多様な可能性を秘めた自由なツールであるはずだ。
そして仮想世界を「第二の人生」で終らせず、「人間」そのものを解放し、リアルライフをより良きものにするためのツールとして活用することも可能だろう。
今回の同大学の技術が出現したことにより、日本国内における「リアルライフをより良きものにするための」仮想世界活用は、大きな一歩を踏み出したと言えるのではないだろうか。
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