3DインターネットとSNSの共通点

 

先日ngi groupの3Di社が、自社で3D仮想空間を構築できるサービスを開始した。SecondLifeへの参入企業が続々と出てくる中で、自前で空間を構築するという選択肢ができたことになる。これはSNSの盛り上がりと似ているように感じる。
・巨大プラットフォームの存在
SNSではmixi・GREEなどいくつものプラットフォームが誕生し、現在はmixiが1,000万人を超える巨大プラットフォームとなっている。その中で企業は広告枠を買ったり、公認コミュニティという形で独自の場所をいわばレンタルすることができ、ユーザーを囲い込むことができる。コミュニティでは自社の情報を流したり、自社への誘導リンクを張れる。また掲示板に議題を出し、ユーザーの意見を集めることもできる。ユーザーの個人情報はもらえないが、ユーザーとの接点として、1,000万人のプラットフォーム内に自社の場所を置くことは価値があるように感じる。
現在、SecondLifeで起きていることはまさに同じではないだろうか。SecondLife上に自社専用の土地を買い、そこにコンテンツを置いたり自社へのリンクを張る。ただ違うのはそれが3Dのリッチコンテンツかどうかということだ。さらに、登場するプレイヤーも似ていて、SNSの場合はその利用価値や運用を広告代理店が考えるのに対し、SecondLifeでは参入支援業者がその役目を担っている。
・自前プラットフォームの登場
mixiが盛り上がってから、企業が自前でSNSを構築するためのソリューションがいくつか登場している。実際にそれによって外部向けにSNSを提供している企業をあまり知らないのではあるが、企業運営SNSだと「デザインハウスプロジェクト(http://dhp.re-guide.jp/)」というものがある。これは建築家と家を建てたい人を結ぶサービスのようだ。
そして、3Di社のリリースにもあったオープンソースという方法もSNSと共通している。SNSにはOpenPNEというオープンソースがあり、サーバーにインストールすれば誰でもSNSを構築・運営できる。個人レベルで運営されているものは非常に多く、アーティストのファンの集いや、ゲームのユーザー会、スポーツチームの応援団など様々である。
・両者の活用方法
ここまで述べてきたように、SNSと3D仮想空間は似た道をたどっているように見える。プラットフォームが続々登場、その中でmixi・SecondLifeが一歩抜け出し、そこに企業が自社専用の場所を確保、そしてオープンソースによる構築・・・。今後どうなるのか知りたいところではあるが、考えられる活用方法を本稿では述べていきたい。
マーケティングの観点ではmixi・SecondLifeは膨大なユーザー数を活用するための「媒体」として利用することが良いように思う。そこでは自社に関する情報をたくさん掲載し、多くのユーザーに見てもらうことで、ブランディング・理解度向上に寄与すると考えられる。
一方、自社構築の場合、最初ユーザー数は0であり呼ばない限りユーザーは入ってこない。従って、今まで囲いこむ手段がなかった場合、より深い囲い込みを行いたい場合に有効であると考えられる。自前であればユーザー情報をすべて管理することができるため、CRMに近いことができるかもしれないし、またユーザーからの意見をより深く聞くことができるかもしれないからだ。
ここで考えるべきは、mixiやSecondLifeが比較的自由度の高い場所であるため、ユーザーが多種多様なコンテンツを作ることができるということだ。自社構築ではそういうわけにはいかない。何らかのテーマに沿ったものでなければ、mixi・SecondLifeの対抗馬を作るだけになってしまう。従って、急激なユーザーコンテンツの増加は初期段階では期待できないので、コンテンツをあらかじめ用意してあげることが必要になると考えられる。適切な初期コンテンツがあって初めて、ユーザー主導でのコンテンツの増加が期待でき、ネットワーク効果による爆発的普及が期待できるのではないだろうか。
mixi・SecondLifeはともにUGM(User Generated media)であり、Web2.0的な要素を多く含んでいる。その点を考慮することがよりよい活用法につながえるのではないかと思う。
倉森聡

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