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【VWCレポート】盛り上がるキッズ向けVirtual World市場への期待感

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【VWCレポート】盛り上がるキッズ向けVirtual World市場への期待感

Virtual Worlds Conferenceのセッションを聞いていて、いくつか浮かび上がってくるテーマのひとつが「キッズ向けのVirtual World(仮想世界)」だ。

初日に行われたThe Electric Sheep CompanyのSibley Verbeck氏(写真)のスピーチでも今後のキーワードとしてキッズ/ティーン市場が挙げられていた。同氏はスピーチの中で「キッズ市場はVirtual World業界最初のマスマーケットになりうる」と語っている。

確かに、30カ国で登録ユーザー数は7,800万人を抱えるHabbo Hotelや、ディズニーが買収を発表したClub Penguinなど、キッズ/ティーン向けVirtual Worldはここ最近大きく注目を集め始めている。今回のカンファレンスのプログラムを見てみても「Kids and Teen Worlds - What You Need to Know」や「Case Study: TyGirlz.com - Building the First Virtual World for Girls」など、関連したセッションが目立っていた。

8月にシンガポールで開催された仮想世界カンファレンス「State of Play V: Building the Global Metaverse」では主に教育面からのVirtual World活用が議論されていたが、今回のVirtual Worlds Conferenceではよりビジネス面からみた市場動向についての話題が中心となっている。

しかし、一方で投資に関するセッション「Investing in Virtual Worlds」では、こうした傾向に敏感であるはずの投資家からキッズ市場への言及がなかったという。このセッションを傍聴した加畑健志氏はこの点について「こうした動きがある中でこれだけ話題にでないのは不自然」と、実際にはなんらかの動きがあるのでは、と指摘した。

キッズ市場の盛り上がりは最近の調査結果でも裏付けられている。この9月には米eMarketerが、全米のキッズ/ティーンユーザーのうち、2007年中に24%がVirtual Worldを利用するようになり、2011年にはこれが53%にまでのぼるとの予想を発表した。こうした状況から見てもキッズ・ティーン層がVirtual World業界の今後を占ううえで欠かすことのできないターゲットの一つであることがわかる。

加えて、キッズ/ティーン層はVirtual World市場に親和性の高い層であるともいえる。これは、成年層には習慣的にバーチャルなものにお金を使うことに慣れていない人も多いが、キッズ/ティーン層の多くはゲームなどを通してバーチャルなものをやり取りすることに慣れていることも大きい。日本の例をみても、DeNA社「モバゲータウン」が、仮想通貨「モバゴールド」によるアバターグッズ取引が若年層を中心に受け入れられて成功を収めている。

日本の子供は少子化によって両親と祖父母合わせて6つの財布をあてにすることができるといわれる。子供たちのほしいものリストに、バーチャルグッズが加わる日はそう遠くないのかもしれない。

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